レースの世界で極まれに見かけるサスペンション用チタンスプリング。このレースの世界で使われていたチタンスプリングは非常に軽いのですが耐久性に問題があり、1〜2レースで交換しなければならない非常に高価なパーツでした。しかし、今回ご紹介出来るチタンスプリングは今お使いのスプリングと同様の耐久性を実現したストリートでも使用可能なレーシングパーツです。チタンスプリングの特徴はとにかく重量が軽いことです。今お使いのスプリングの34%〜60%程度の軽さになります。参考までにGSXR1000のリアスプリング(オーリンズ製バネレート9.75)は重量がほぼ1000gありますがチタンで製作する事により約半分の530gとなります。
なぜ、これほどまでに軽くなるのでしょう?チタンの比重は4.7、鉄の比重は7.85単純に比較すると60%の重量です。しかし、スプリングを設計するパラメータには横弾性係数という物があり、材料が異なれば横弾性係数も異なります。横弾性係数とは同じ力で素材をねじった時に変形する度合いを係数として表現したものであり、こちらはチタンで4450、バネ鋼で8000になります。比較するとバネ鋼の約56%になり、横弾性係数の違いだけで56%の巻き数低減が可能です。以上の二つのパラメータから単純計算すると33.6%となります。これが今あるスプリングと全く同じ内部応力でチタンスプリングに置き換えた場合の重量比となります。上記のGSXR1000用チタンスプリングが53%の重量比となっているのは、このバネ鋼スプリングは内部応力がかなり高いところまで出る設計となっていたため、内部応力を抑えて設計し直したため上記の重量となるのです。
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